大手金融サービスであるドコモ・ファイナンスが提供する、ドコモ・ファイナンス・フラット35(保証型)。知名度の高さから、候補に入れようとしている人もいるかもしれません。しかしインターネット上では口コミが少ないため、実際の評判がわかりにくいですよね。
今回はドコモ・ファイナンス・フラット35(保証型)が利用しやすいローンといえるのか調べるため、以下の3つの観点から検証を行いました。
さらに、他社が提供するフラット35とも比較。検証したからこそわかった、本当のよい点・気になる点を詳しく解説していきます。申込みの流れだけでなく、本審査にかかる期間や繰上げ返済ができるかなどもご紹介。フラット35選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
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目次
良い
気になる
ドコモ・ファイナンス・フラット35(保証型)は、金利の低さが魅力ではあるものの、頭金なしの取り扱いがないのはネックです。比較した半数以上のフラット35は、頭金なしで借りられました。事務手数料も、借入金の2.2%で特別安いとはいえない結果です。事務手数料は一時的な出費なためそこまで気にする必要はありませんが、総じて初期費用にまとまったお金の用意が必要なローンといえるでしょう。ネット申込みに対応していないのも惜しいところです。
がん団信の上乗せ金利が0.24%と標準的なのも惜しいところ。比較したフラット35のなかには、がん団信に加入しても金利がかからない・本サービスの2分の1程度で金利適用されるものもありました。団信の基本保障には、余命6か月以内と診断された場合も全額保障の対象であるリビングニーズ特約(余命宣言)が含まれているのは利点です。ただし、健康維持できていた場合は金利の高さが負担に感じることもあるでしょう。
とはいえ、長期的に金利の低さを重視している人にはおすすめできます。比較したなかでトップクラスに低金利で、とくに頭金1割の場合は年1.66%とほかを圧倒する低さでした。頭金2割の場合も年1.66%と低く、比較した他社平均の年1.94%を大きく下回りました。総支払額を減らしたい人にとっては有力候補といえます。
分割融資に対応しており、注文住宅購入に対応できるのもメリットです。注文住宅は土地購入時・建設開始時など複数のタイミングで支払いを求められるため、分割融資が必須に。比較した一部のフラット35は分割融資に対応していなかったので、注文住宅を検討している人は事前に確認するのがおすすめです。
長期的な金利の低さは魅力ではありますが、がん団信における金利の高さやまとまったお金が必須である点は気になります。頭金なしで借りたい人やがん団信の加入を検討している人は、ほかのフラット35もチェックしましょう。
<おすすめな人>
<おすすめできない人>
実際にドコモ・ファイナンス・フラット35(保証型)と比較検証を行ったサービスの中で、各検証項目でNo.1を獲得したものをピックアップしました。
ドコモ・ファイナンス・フラット35(保証型)よりも高い評価を獲得したサービスも!ぜひこちらも検討してみてくださいね。
今回ご紹介するのは、ドコモ・ファイナンスが提供するドコモ・ファイナンス・フラット35(保証型)。長期固定金利の住宅ローンです。保証型とは、住宅金融支援機構が銀行の住宅ローンに保険をつけて保証するタイプを指します。
借入限度額は、100万円以上8,000万円以下。1万円単位で借りられます。資産用途は、申し込んだ本人または親族が住む物件の建設・購入資金・住宅ローンの借り換え。リフォームのための資金には利用できません。また、物件は本人が所要する必要があります。
ドコモ・ファイナンスは、個人向け金融サービス企業です。2024年3月にドコモグループの一員となりました。今回ご紹介するドコモ・ファイナンス・フラット35以外にも、ビジネスローンのVIPローンカードBUSINESS・信用保証事業・銀行代理業・損害保険代理店事業など幅広く展開しています。
なお、ドコモ・ファイナンス・フラット35には、今回ご紹介する保証型のほかに買取型が用意されています。買取型は、住宅金融支援機構が銀行から住宅ローンの債権を買い取るタイプ。こちらもあわせて検証しているので、気になる人はぜひランキングをチェックしてみてください。
そもそもフラット35とは、全国300以上の金融機関が住宅金融支援機構と提携して扱う、全期間固定金利型住宅ローンのことです。金融機関ごとに金利・手数料が異なります。民間の住宅ローンとの大きな違いは、年収・勤続年数の制限がないこと。年収・勤続年数に自信がない人も借りやすいのが魅力です。
申込み自体は、原則として次の2つの条件を満たせば利用できます。
また、住宅ローン専用の生命保険である団信(団体信用生命保険)への加入が任意なのも注目したいポイント。団信に加入するかを自分で決められるので、民間のローンでは持病のせいで団信審査に落ちてしまった人にとっても有力な候補といえます。
フラット35は、民間の全期間固定住宅ローンと比較すると金利が安い傾向にありますよ。
今回はドコモ・ファイナンス・フラット35(保証型)を含む、フラット35を調査して比較検証を行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
頭金なしの契約に対応していないのは気がかり。比較した半数以上のフラット35が頭金なしの借入に対応していたのに対し、こちらは頭金が貯まるまで待つ必要があります。たとえば4,000万円借りる場合、頭金1割だとすると400万円を準備しなくてはいけません。条件に合う住宅が見つかったとしても、すぐに購入できない可能性があります。
同じドコモ・ファイナンスのフラット35 買取型では、頭金なしで借りることが可能。頭金なしの金利も年1.93%とやや低めで、同条件で他サービスを調査した際の平均金利年2.19%を下回りました。貯金が貯まるまで住宅の購入を待てない人は、買取型もチェックしてみてくださいね。
がん団信の上乗せ金利が0.24%と高めなのも気になる点です。団信とは、病気や死亡など万が一のことが発生したときに、住宅ローン残高に対して使える保険です。
ドコモ・ファイナンス・フラット35(保証型)のがん団信では、がん診断時およびがん先進医療の療養を受けた場合に、残りの住宅ローンがゼロに。特定のがん診断時およびがん先進医療の療養を受けた場合は、一時金の給付も受けられます。
比較したほとんどのローンにおいて、がん団信の上乗せ金利はドコモ・ファイナンス・フラット35(保証型)と同程度でした。しかし、比較したなかにはがん団信の金利がかからないものや本サービスの2分の1程度で金利適用されるものも。低コストでがんに備えたい人は、別のローンを候補に入れるとよいでしょう。
団信の基本保障に、リビングニーズ特約(余命宣告)が含まれているのは魅力です。死亡・高度障害といった基本的なケースだけでなく、余命6か月と診断された場合も全額保障の対象に。リビングニーズ特約が基本保障に含まれていたのは、比較したなかで半数未満でした。
金利を0.18%上乗せすれば、ワイド団信に入会することも可能。ワイド団信とは、一般の団信より引受条件が緩和された保険です。持病を持っている人も加入できる可能性が高いといえます。比較したなかでワイド団信に対応しているのはごくわずかでした。ただ、より金利が高くなってしまうため、健康維持は問題なくできる人は別のローンを検討してみましょう。
フラット35の保証型は、買取型と比べて団信が豊富なのが魅力。買取型で団信をつけると審査で落ちてしまう人も、ドコモ・ファイナンスやSBIアルヒなどの保証型であればワイド団信を付帯できる可能性があります。
ワイド団信以外にも、上乗せ額を小さくしてがんだけを保障したい・上乗せ額を大きくしてでも保障範囲を広げたいなど、さまざまな団信特約が用意されています。自分の希望どおりの団信の特約を選びたい人は、保証型を検討してみてください。
事務手数料は、借入金の2.2%と標準的なレベルです。事務手数料の算出方法には、借入金額の一定の割合を手数料として支払う「手数料定率型」を採用。たとえば申込金額が4,000万円の場合、880,000円の支払いが発生します。比較したフラット35の平均額767,000円をやや上回っており、特別手数料が安いとはいえません。
とはいえ、事務手数料は一時的な出費にすぎず、あまり気にする必要はないといえます。支払総額を減らしたいのであれば、長期的に影響がある金利の安さに着目するほうが賢明です。事務手数料を重視して金利が高いところで借りると、返済額が増えるリスクがあるので注意しましょう。
ドコモ・ファイナンス・フラット35(保証型)は、ネットでの申込みや契約に非対応。店舗まで出向く必要があります。申込みに必要な書類は、公式サイトでダウンロードできるので活用するとよいでしょう。
比較したフラット35の半数近くはネット申込み・契約に対応しており、手続きを自宅で行えました。ドコモ・ファイナンス・フラット35(保証型)は、手軽に手続きを進めたいと考えている人にとってはややハードルが高いかもしれません。
ドコモ・ファイナンス・フラット35(保証型)の主なよい点は2つです。返済額に影響が大きい金利が低く、分割融資にも対応しているのが魅力です。注文住宅を検討している人も利用できます。
金利の低さは、比較したなかでトップクラス。とくに頭金1割の金利は、年1.66%とほかを圧倒する低さで、比較したフラット35の平均年1.95%を大きく下回り、金利の低さが際立ちます。
頭金が2割の場合も、年1.66%と低金利。こちらも、比較したフラット35の平均年1.94%を下回っています。比較したフラット35のほとんどは、金利が年1.8%以上でした。ドコモ・ファイナンス・フラット35(保証型)なら、月々の返済負担や総返済額を減らせるといえます。
融資率(建設費・購入代金に対する借入額の占める割合)が低いほど金利も下がるので、総支払額を抑えたい人はできるだけ頭金を多く用意するのが理想です。
ドコモ・ファイナンス・フラット35(保証型)を利用する際、年収が低めの場合は借入額がより厳しく制限されるため注意が必要です。年収400万円以上の場合は年間返済額上限が年収の35%以下までなのに対し、年収400万円未満の場合は年間返済額上限が年収の30%以下となります。
優遇金利制度のひとつである「子育てプラス」も要チェック。子育て世帯または若年夫婦世帯に対し、全国一律でこどもの人数等に応じて一定期間借入金利を引き下げる制度です。たとえば若年夫婦世帯またはこども1人の場合、当初5年間にわたり年0.25%金利が引下げに。フラット35に対応している金融機関であればどこでも対応していますよ。
分割融資に対応しており、注文住宅に対応できるのも大きなメリットです。注文住宅では、土地購入時や建設開始時など複数のタイミングで支払いを求められます。通常の住宅ローンは一括で融資されるので、注文住宅には対応できません。
検証したほとんどのフラット35が分割融資に対応していましたが、一部で非対応のところもありました。注文住宅を検討している人は、分割融資の対応状況について先に確認しておくのがおすすめですよ。
適用金利(頭金1割) | 年1.73% |
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適用金利(頭金2割) | 年1.73% |
適用金利(頭金なし) |
良い
気になる
繰上返済手数料 | 0円 |
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分割融資可能 | |
自社ATM利用手数料(平日) | |
自社ATM利用手数料(土日) | |
コンビニATM利用手数料 | 無料(セブン銀行・ローソン銀行などの提携ATMの場合) |
返済用口座の開設手続きが必要 |
上乗せ金利なしでがん団信に入会できるものや、頭金なしの借入に対応しているフラット35をご紹介します。
返済総額を抑えつつがんに備えたいなら、住信SBIネット銀行 フラット35(保証型)がおすすめです。基本保障は死亡・高度障害・リビングニーズ・がん・先進医療・全疾病と充実したラインナップ。比較したうち、本サービスのように基本保障にがんが含まれ、上乗せ金利なしでがんに備えられるのはほとんどありません。
金利の低さもポイントです。頭金2割の場合、金利は年1.74%とかなり低め。比較したフラット35のなかで、同条件で金利が年1.8%を下回ったのはわずかでした。頭金1割の場合も年1.79%と優秀で、比較したフラット35の平均年1.95%を下回りました。ただし、頭金なしは借りられません。
事務手数料は借入額の2.2%相当と一般的。4,000万円の借入の場合、880,000円の支払いが必要です。同条件で検証した他ローンの平均である767,000円をやや上回りました。
とはいえ、事務手数料は一時的なものです。住信SBIネット銀行 フラット35(保証型)は上乗せ金利0%でがん団信に加入でき、総返済額を左右する金利も低め。トータルでみれば返済額を抑えられます。ネットで申込み・契約もできるので、借りるまでの手間が少ないのもメリットです。
頭金なしで低金利に借入したい人は、ARUHI フラット35(買取型)を検討してみてください。ドコモ・ファイナンス・フラット35(保証型)は対応していなかった、頭金なしでの借入が可能。頭金なしでの金利は、年1.93%と低めです。貯金が貯まるのを待たずに住宅の購入ができますよ。
頭金を準備したときの金利も低く設定されています。頭金が1割でも2割でも、金利は年1.82%です。それぞれの平均である頭金1割1.95%・頭金2割1.94%を下回る結果でした。頭金ありなしにかかわらず、低金利に利用できるのはうれしいポイントです。
注意したいのは、がん単独の団信がない点。がんに備えたい場合は3大疾病付機構団信に入る必要があり、上乗せ金利が年0.24%と高くなります。比較したなかには上乗せ金利が2分の1ほどだった商品もあることを考えると、もしもの場合に備えたい人は使いづらく感じるかもしれません。
事務手数料は融資金額の2.2%ですが、ネットからの申込みなら融資金額の1.1%と半分になります。申込みから契約まですべてネットで完結するため、自宅にいながら手続きを進められますよ。忙しい人や、介護や育児で外出が難しい人にもぴったりです。
最後に、ドコモ・ファイナンス・フラット35(保証型)についてよくある疑問と、その回答をご紹介します。
①事前審査:約1週間
②本審査:約2週間
ただし、これらの期間はあくまで目安です。物件や条件、申し込んだ金融機関によって前後することを覚えておきましょう。
審査に落ちる主な要因は、主に以下の2つです。自分に当てはまっていないかチェックしましょう。
返済比率とは、年間の返済合計額を年収で割ったもの。ほかで借入している場合、その分も返済合計額に含まれるため注意しましょう。年収400万円以上の場合、返済比率は35%以下が基準です。35%を上回ると支払いの負担が大きく、返済が難しいと判断される可能性が高まります。
また、フラット35は、すべての住宅の購入で利用できるわけではありません。住宅部分の床面積・耐火性などの条件があります。クリアしないと審査に通らないので、物件選びの際にしっかり確認しましょう。
ドコモ・ファイナンス・フラット35では、金利推移の公開はされていません。
金利推移とは金利がどのように変化してきたかを表すものです。フラット35自体の公式サイトでは借入金利の推移データが見られるので、気になる人は参考にしてみるとよいでしょう。
ドコモ・ファイナンス・フラット35では、一部繰上返済・全部繰上返済の両方に対応。どちらも利用する前に事前に申し出る必要があります。
また、一部繰上返済をする際には下記の3つの内容に注意してください。
全部繰上返済は、ローン残高を一括で返済する方法です。利用するには、1か月前に申し出る必要があります。返済方法は、指定の銀行口座への振込です。
事前審査の留保とは、承認・否決どちらでもない状態のことです。留保になった場合は、事前審査では判断できないため、本審査に進んで改めて審査を受けます。事前審査が留保になったからといって、必ずしも本審査で否決されるわけではありません。
留保になる理由として考えられるのは、フラット35の返済に懸念がある場合。ほかのローンの借入状況・クレジットカードの返済履歴などから判断される可能性があります。
フラット35は「買取型」と「保証型」の2種類から選べます。買取型は、住宅金融支援機構が銀行から住宅ローンの債権を買い取る仕組み。保障型は、住宅金融支援機構が銀行の住宅ローンに保険をつけて保証する仕組みです。
ドコモ・ファイナンス・フラット35も、保証型・買取型から選択可能。買取型は、初期手数料タイプと金利タイプの2つから選べます。どちらも頭金なしで契約できますよ。
【初期手数料タイプ】
初期手数料タイプは、融資金額によって手数料が異なるのが特徴。手数料は、融資金額の2.2%です。金利は、金利タイプより低く設定されています。
<融資率90%以下>
<融資率90%超100%以下>
【金利タイプ】
融資金額に拘らず手数料が一律198,000円です。初期手数料タイプより初期費用が安くなるメリットがあります。
<融資率90%以下>
<融資率90%超100%以下>
買取型では、がん単独の団信はありません。新3大疾病付機構団体信用生命保険に入会することで、がんをふくめた3大疾病に備えられます。逆に、保証型にはないデュエット(夫婦連生団信)があるのも特徴。新機構団体信用生命保険なら夫婦で加入することが可能です。ただし、新3大疾病付機構団体信用生命保険はデュエットに対応していません。
<保証型の団信>
<買取型の団信>
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