音本来の質感が感じられると謳う独自技術の「8K SOUND」を採用したノイズキャンセリングイヤホン、final ZE8000。「音の広がりがよい」と評判です。一方で、「ノイズキャンセリング機能が弱い」「バッテリーの持ちがいまいち」などの口コミも存在するため、購入を迷っている人もいるのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の4つの観点で検証・レビューを行いました。
さらに、各メーカーの新商品や売れ筋上位など人気のノイズキャンセリングイヤホンとも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、ノイズキャンセリングイヤホン選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
オーディオ専門店「e☆イヤホン」の販売員として3年間勤務。オーダーメイドや高級機種なども含め、これまでに試聴したイヤホン・ヘッドホンは、のべ500種類を超える。また、音楽や環境に合わせて11種類のイヤホン・ヘッドホンを使い分けるほど、音には並々ならぬ情熱を持っている。 その後、2023年にmybestへ入社し、豊富な知識を活かしてオーディオ機器のガイドを担当。「顧客のニーズを真摯に考えて、オーディオ機器を提案する」をモットーに、ユーザーに寄り添った企画・コンテンツ制作を日々行っている。
すべての検証は
マイベストが行っています
final ZE8000は、高音質ながらも口コミどおりノイズキャンセリング性能がいまひとつです。ダミーヘッドマイクに装着してどの程度ノイズを抑えられるかを測定すると、電車走行時の低い騒音は7.4dBしかカットできず。比較した後継機の「ZE8000 MK2」は低音を15.8dB小さくしましたが、本モデルでは交通量の多い場所のノイズが気になりそうです。人の会話のような短いクラップ音も14dBしかカットできず。一方で、電車の走行音でも高めの音はカットしやすく、音質・音域によってノイキャンの精度にばらつきがありました。
機能ももう少し充実してほしいところです。着脱検知・ペアリングアシスト・マルチポイントは非対応。その都度、操作や設定する手間がかかりました。音域ごとの音質やノイキャンのレベルも調整できず、自分に合う設定を選べないのもネック。口コミどおり本体連続再生時間も5時間と振るわず、長時間の外出は注意が必要です。ケース込みなら15時間使用できますが、帰宅後に充電する習慣をつけましょう。
一方、口コミどおり音の広がりは良好で、イヤホンとは思えないほどの音に包まれる感覚を体感できます。「その場にいるような感覚を楽しめる」と試聴したモニターからも好評。音の重なる部分もしっかり再現され、一つひとつの音が粒立って聴こえました。没入感や迫力も十分でジャズのセッションやクラシックのハーモニーを存分に堪能できるでしょう。
音域別に注目しても、どの音域も主張が強すぎずバランスがとれており、安心感して聴けました。比較したなかには派手な音質の商品もあったのに対し、きれいで丁寧な音質といった印象。音本来の質感が感じられるという謳い文句にも頷けます。しかし「高音の響きが足りない」「ボーカルがこもって聴こえる」という指摘も。伸びのあるボーカルが好きな人は物足りなさを感じる可能性があります。
使音楽の再生や停止・スキップ・音量調整など、比較したほとんどの商品同様に本体のみで基本操作が可能。ただし、雑音が多い環境だと聴こえにくいため、ノイキャン性能を重視する人はほかの商品もチェックしてみてください。
2007年創業の日本のイヤホン・ヘッドホンブランド、final。ワイヤレスイヤホン・有線イヤホン・ゲーミングイヤホンなど、幅広い商品を取り扱っています。ハイエンドから手軽なエントリーモデルまで、どの価格帯の商品でも音楽から高揚感を得られるよう設計されている点が特徴です。
今回紹介するfinal ZE8000は、音本来の質感を味わえる「8K SOUND」を搭載した商品。新たに開発した「f-CORE for 8K SOUND」と呼ばれるドライバーは、接着剤を使わないことで振動板が正確に振幅すると謳う自信作です。また、ワイヤレスイヤホンでは採用されることの少ないAB級アンプや、薄膜高分子積層コンデンサという大型の電子部品も採用。音のひずみを極力減らし音域・楽器、声が圧倒的に高精細に聴こえると謳っています。
ノイズキャンセリングモードのほか、マイクに当たる風切り音を軽減するウインドカットモードを搭載。音楽の再生音量を維持しながら周囲の音を確認できるながら聴きモードや、周囲の音を聴き取りやすくするため自動で音楽のボリュームを下げるボイススルーモードもあり、使用シーンに応じた切り替えが可能です。
専用アプリ「FINAL CONNECT」からは、モードや音量の切り替え・ プロのエンジニアのような音質調整などが行えます。また、ビームフォーミング機能を備えたマイクを2機搭載しており、屋外通話時も周囲のノイズを排除。クリアな状態の自分の声を届けることができますよ。なお、詳細は以下のとおりです。
防水性能は、IPX4等級に準拠しているため、突然の雨やスポーツ時の汗にも耐えられます。
ZE8000 MK2は、初期モデルのfinal ZE8000のフラグシップモデルです。フィット感を高めるシールドフィンがついているため、ZE8000に比べ遮音性と装着性がアップ。ZE8000 MK2のほうがノイズキャンセリング性能が優れており、マイクに当たる風の音に対してのノイズ耐性も向上したと謳われています。
また、最大音量は5dB以上増加。より高音域の伸びがよくなった点も特徴です。さらに、複数の機器に同時接続できるマルチポイントにも新たに対応。機能面の向上も図られています。
実際に使ってみると、価格相応のサウンド。イヤーピースやイヤホンの形状が特殊で人を選ぶ装着感ですが、しっかり装着できると臨場感や深みのあるサウンドが楽しめます。一方で、少しもっさりとした音にも感じられ、好みが分かれる可能性も。一聴惚れするというよりは、使っているごとにだんだんと親しみを覚えてくるサウンドでしょう。
公式サイトの価格はZE8000が税込29,800円、ZE8000 MK2は税込36,800円(※執筆時点)でした。購入コストを抑えたい人は、ZE8000。より音質のクオリティにこだわりたい人は、ZE8000 MK2がおすすめですよ。
今回はfinal ZE8000を含む、人気のノイズキャンセリングイヤホンを実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
重なった音の再現も見事で、それぞれの音がかき消されることなく調和しています。モニターからも「かすかな音までしっかりと聴こえる」と好評。一つひとつの音が粒立って聴こえつつも、主張しすぎず調和しており、楽曲への没入感を味わえます。
結論として、ジャズのセッションやクラシックのハーモニーを存分に堪能できそうな音質でした。音に厚みがあり迫力も十分。「その場にいるような感覚を楽しめる」とモニターからも好評だったように、ライブ感を味わいたい人におすすめですよ。
<解像度についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
<臨場感についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
イヤホンらしからぬ音に包まれるような広がりで、「音に包まれている」という感覚をしっかり体現したイヤホン。音が全体的に太いので、ライブらしい迫力や広がりを楽しみたい人におすすめです。
とくに、楽器の音がはっきりと聴こえて引き締まった聴こえ方。高音域では、カッティング・スネアのシャキッとした音も見事に再現されていました。モニターからは「抜け感を楽しめる」との声が寄せられています。
一方で、一部のモニターからは「高音が詰まって響きが足りない」「ボーカルがくぐもって聴こえた」という指摘も。音の余韻が弱いので、ボーカルが主体のポップスの向きとはいえません。伸びのあるボーカルが好きな人は物足りなさを感じるでしょう。
低音も主張が強すぎず、全体のバランスがよいので安心して聴いていられるのが魅力。一つひとつの音を無駄にしないため、クラシックやジャズの生バンドを聴き慣れている人なら満足できるイヤホンです。
<音質についてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
本体のボタンからは、音楽の再生/停止・音量調整・曲のスキップ・NC(ノイズキャンセリング)と外音取り込みの切替ができます。比較したなかにはイヤホンで音量調節ができない商品もあったなか、スマートに操作できるところがメリットです。
また、外音取り込み機能がついており、イヤホンをつけたままでの会話も可能。通勤や通学時、駅のアナウンスなどを聴き逃す心配も少ないでしょう。
口コミで指摘されていたように、ノイズキャンセリング機能はいまひとつでした。ダミーヘッドマイクに商品を装着して、左右から流したノイズをどの程度カットするかを測定すると、低めの電車の走行音だと7.4dBしか小さくできませんでした。比較した後継機のZE8000 MK2は、低音を15.8dBカットし十分な性能を発揮したのに対し、ゴーッという電車の走行音が残りました。
立ち上がりの早いクラップ音は14.0dBしか抑えられず。人の会話のような短い音をカットするのが苦手なため、人混みでは外音が気になる可能性があります。また、サイレンの音は17dBカットすれば満足とされたなか、音域問わず10dB前後しか遮断できず甲高い音にも弱いことがわかりました。
一方で、同じ電車の走行音でも中音域から高音域にかけての高めのノイズは20.6dBも抑え、満足といえる22dBに迫る結果に。音の特性・音域によってカット率に差がみられ、電車の中や交通量の多い場所などでは、ノイズが気になり没入感は得にくいでしょう。
耳にしっかり収めることができれば物理的にノイズをカットできるので、人によっては今回の数値以上にしっかりカットして聞こえることも。とはいえ耳の形を選ぶイヤホンなので、大手を振ってノイキャン性能が良いとはいえません。
日常的に使うには、利便性に欠ける印象。ペアリングアシストやマルチポイントは非対応のため、使うたびに毎回設定が必要です。また、着脱検知に対応していないため、イヤホンを外したあと自分で音楽を停止しなければならず、少々手間に感じるでしょう。
また、ノイズキャンセリングの強さを調整できない点もネックに。比較した調整可能の商品は自然にノイズカットできたのに対し、こちらはノイキャン酔いする可能性があります。音域ごとに好みの音質に調整する機能もなく、音質にこだわりたい人には不向きでした。
比較したところ8時間以上連続で再生できると、終日使用しても電池切れの心配が少ない傾向が。こちらもケースに収納すれば連続15時間再生できるため、1日外出するときは上手に活用してみてください。
※ランキングは、購入時に取得できるポイントを考慮した実質価格で作成しています。
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低音に厚みがあり臨場感や迫力を楽しめるので、ロックやヒップホップなどのジャンルと相性がよいでしょう。音数が増えても個々の音が埋もれず、心地よい印象。ボーカルの細かいニュアンスまでも再現できる、リアルな音質でした。
ノイズキャンセリング強さを10段階で調節でき、ノイキャン酔いの心配も少なめ。マルチポイントや着脱検知などの便利な機能も充実しており、利便性も良好でした。
電車の走行音は13dB、刺激の強い音も20dB以上小さくなりました。どの音域のノイズもカットできるので、集中したいときにも役立ちます。12時間の連続再生時間に加え、ケースに収納すれば36時間もの長時間駆動が可能。バッテリー残量を気にすることなく、1日中使い続けられます。
全音域がバランスよく音が聴こえ、細かいニュアンスもしっかり再現。臨場感の高さも特徴です。歌声の伸びもよく、ポップス好きの人でも満足できる音質でしょう。ピアノ・管楽器の透きとおった高音や途切れのない打楽器の余韻の伸びも良好。解像度の高い立体感のある音楽を楽しめます。
final ZE8000は、公式サイトで購入できます。値段は29,800円(※執筆時点・公式サイト参照)です。
また、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどの大手ECサイトでも販売されています。価格を比較して、お得にゲットしてみてください。
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