住宅購入のために多額の資金を借り入れる住宅ローン。リフォームや増築のために住宅ローンの増額を考えている人もいるでしょう。
本記事では、住宅ローンを返済中でも追加融資はできるのか、追加融資以外にもお金を借りる方法があるのかについて解説します。借り換えを行うときのメリットや注意点なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
金融機関は目的から外れた融資は基本的にできないため、同じ金融機関から追加融資を受けるのは難しいでしょう。住宅ローンとはあくまで住宅購入の目的で組んだローンであり、追加融資を依頼するとほかの目的で借り入れることになるためです。
また、ほかの金融機関に依頼しても融資を受けられる可能性はかなり低いといえます。通常、抵当権は住宅購入時にローンを組んだ金融機関が設定しているため、ほかの金融機関が融資することはあまり考えられません。どの金融機関からでも追加融資を受けるのは非常に厳しいでしょう。
金融機関によっては、リフォームの費用を住宅ローンに組み込んでもらえるケースも多くあるため、ほかで新たに融資を申し込むより審査に通りやすいでしょう。ただし、借り入れができるかどうかは金融機関によって条件が異なるため、まずは相談することをおすすめします。
リフォームローンとは、住宅をリフォームするために利用するローンのことです。浴室やキッチンなどの設備変更や交換、住宅の増改築などが該当します。
住宅ローンとは違う商品のため、新たにリフォームローンを組み、追加で資金調達するということです。しかし、リフォームローンと住宅ローンは返済期間や借入可能額に違いがあります。リフォームローンの金利は高めで返済期間もおよそ15年までと短く、借入可能額はおよそ1,500万円以内です。
また、住宅ローンを組むときは住宅を担保とする必要がありますが、リフォームローンは無担保で借り入れることもできるため、追加融資を受けやすいといえます。
リフォームローンをまだ選んでいない人はこちらの記事をチェックしてみてください。リフォームローンの選び方や金利の違いなど、より詳しく解説しています。
追加融資と似たような効果を得られる「借り換え」を検討するのもよいでしょう。借り換えとは、現在申し込んでいるローンの残高を、ほかの金融機関から借り入れて一括返済することです。
車と住宅のように、目的がまったく異なるローンはまとめて融資を受けることはできません。しかし、リフォームの費用は住宅ローンに含めて借り入れを認めてくれる金融機関もあります。一度、金融機関に相談してみましょう。
リフォームローンよりも、借り換えをするほうがおすすめです。借り換えの場合、現在契約している住宅ローンよりも低い金利で借り換えられる可能性があるため、返済額を抑えられるかもしれません。
実際にリフォームローンを申し込んだ場合と借り換えをしたときの総返済額を比較してみましょう。シミュレーションの条件は以下のとおりです。
住宅ローンの借入額:3,000万円
金利:3.12%(2007年12月当時)
返済期間:35年
住宅ローンの残債:2,000万円
残りの返済期間:20年
リフォーム費用:350万円
上記の場合、住宅ローンの毎月の返済額は約11万7,000円のため、20年かけて残りを返済するとおよそ2,800万円かかります。また、リフォーム費を金利2.875%で10年かけて返済する場合は約400万円なので、リフォームローンを利用した場合の総返済額は約3,200万円です。
一方、借り換えをして金利が1.68%(2022年当時)となった場合、残債とリフォーム費用を足して2,350万円のため、試算すると借り換えをしたときの総返済額は約2,700万円に抑えられます。
上記の結果から、借り換えによって金利が低くなる場合は、リフォーム費用を組み込んで借り換えをするほうが総返済額を減らせるのでお得です。なお、端数を切り捨てて計算したため、結果はあくまでも目安として参考にしてください。
新たにほかの金融機関で住宅ローンを組み、現在の金融機関の住宅ローンを完済するので、借り換えには2つの手続きが必要です。一般的に、借り換えにかかる諸費用は30〜80万円が目安といわれています。
まず、現在の住宅ローンを完済するための主な諸費用はこちらです。
全額繰上返済手数料:数千~3万円
抵当権抹消費用:2万円
加えて、新たに金融機関で住宅ローンを組むときには以下のような諸費用がかかります。
事務手数料:数万円
保証料:数十万円
印紙税:数万円
抵当権設定費用:数万円
総返済額を抑えるつもりが、手数料などでマイナスとならないよう注意しましょう。諸費用は金融機関や借入額によっても異なるため、それぞれの金融機関に問い合わせてみてください。
住宅ローンは住宅を担保として借り入れるため、別の用途で資金を利用することは契約違反です。追加融資やリフォームローン、借り換えなどいずれの手段で追加融資を受けられても、車の購入や教育費など別の目的で資金を使うことはできません。
用途が決まっている場合は「目的別ローン」がおすすめです。ローン商品がない旅費やブライダル費用、そのほか使い道を自由に選びたいときは「フリーローン」を検討するとよいでしょう。
以下の記事では、「マイカーローン」と「フリーローン」の人気商品を徹底検証しました。金利の低さや申し込みのしやすさを比較し、ランキング形式で紹介しているのでぜひチェックしてください。
追加でお金を借りるため、毎月の返済額の負担は増加します。今後、大きな出費が発生することを考慮して無理のない返済額にするべきです。返済額の見積もりや手元に残しておく資金など、追加融資を受ける前に返済プランを立てておきましょう。
リフォームローン選びで迷っているなら、こちらの記事もぜひチェックしてください。人気のある商品を比較し、もっともおすすめの借り入れ先を決定しました。リフォームローンの審査から借り入れまでの流れも解説しているので、申し込むときは参考にしてください。
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