【ファストコーヒー頂上決戦】バリスタが本気で飲み比べしてみた!1位はまさかのあのコンビニ...!【ホットコーヒー編】
寒い日こそ飲みたくなるホットコーヒー。そんなときによくお世話になるのが、安くて手軽に買えるコンビニエンスストアやファストフード店のホットコーヒーですよね。価格は100円台からと手軽で、近年確実においしさのクオリティも上がってきています。
そこでやはり気になるのは、どこのコーヒーが1番おいしいのか問題。今回は現役のバリスタであるマイベストのコーヒー担当・相野谷が実際にファストコーヒー16種類を飲み比べ!検証の結果どのお店が頂点に輝いたのか、1商品ずつ徹底解説します!
マイべマガジンではコンビニなどで手軽に購入が可能なドリップコーヒーを「ファストコーヒー」と呼称いたします。
本コンテンツの情報は公開時点(2025年1月20日)の情報をもとに執筆しております。また、本コンテンツ内の価格情報はすべて税込で表記しております。

製菓・コーヒーの専門学校卒業後、スペシャルティコーヒー専門店にてバリスタとして7年間勤務。店舗ではハンドドリップやラテアートの講師も務め、味や香りへの繊細な感覚を磨く。マイベスト入社後はカフェで勤務していたこれまでの経験を活かし、コーヒー器具をはじめ、調理器具やキッチン雑貨、食品・ドリンク、ギフトアイテムなど、食まわり全般の商材の比較検証を担当。「ユーザーの立場に立って考える」をモットーに、日々の業務に取り組んでいる。また、焙煎士・バリスタとして現在も現場に立ち、実体験に基づいたリアルなレビューを届けている。
結局ホットコーヒーってどこのチェーンが一番おいしいの?
みなさんこんにちは、マイベストのコーヒー関連のコンテンツを担当しています相野谷です。10年前にドトールで働きはじめたことをきっかけにコーヒーの沼にハマりました。それからスペシャルティコーヒーを扱う専門店に移り、本格的にバリスタとしてコーヒーを淹れはじめます。2年ほど前には、自身の焙煎所を開業しました。今もお客様にコーヒーを提供し続けている生粋のコーヒーラバーです。
去年の夏はアイスのファストコーヒー&アイスカフェラテの飲み比べ企画を行いましたが、アイスコーヒーがおいしいコンビニは果たしてホットコーヒーもおいしいのでしょうか?また「コンビニだけじゃなくファストフード店などのホットコーヒーも気になる」という人もいるはずです。
そこで今回マイべマガジンの企画として、コンビニコーヒーを中心に同価格帯のファストコーヒーの飲み比べを行いました。
前回飲み比べしたアイスコーヒー&アイスカフェラテ編が気になる人はこちらからご覧ください!
今回も事前のアンケートを実施、結果はセブン-イレブンが1位!
今回もファストコーヒー界を代表して大手コンビニコーヒー4社のなかでどこが1番おいしいと思うかSNSにてアンケートをとりました。結果は約半数の票を獲得し、セブン-イレブンが1位。
果たして本当にセブン-イレブンのコーヒーが一番おいしいのか、それとも実はほかにもダークホースとなるコーヒーが存在するのか。今回は過去最多の16種類を飲み比べ!大手6社のコンビニに加え3社の有名ファストフード店なども同時に飲み比べを行います。
また、最近では各社メインのブレンドのほかにも、エチオピアやグアテマラなどのシングルオリジンのコーヒーも販売を始めています。折角なので、こちらも含めて購入可能なものはすべて飲み比べを行いました。
飲み比べの前に...濃度(TDS)を測ってみよう
お店ではレシピの調整や、味わいのクオリティを統一するためにこのTDSという数値を用いることが多いです。一言でいえばコーヒーの濃度を数値化したもの。
数字に囚われすぎることはあまりよくないですが、今回は参考値として測ってみましょう。ちなみに日本スペシャルティコーヒー協会が定める適正値は1.15%〜1.35%といわれています。この数値以下だと薄い傾向に、この数値以上だと濃い傾向があるということです。
今回TDSはATAGOのBrix計を使用しBrix値を測定後に0.79を掛けてTDSの近似値を算出しています。計測は抽出後1分以内に行いました。
各コーヒーのTDSにはバラつきがあったものの、適正値を大きく外れるものはなし
実際に各チェーンの上位商品のTDSを計測すると、各コーヒーの数値にはバラつきがありましたが、ホットコーヒーでも適正値を大きく外れていない商品がほとんどでした。あくまで、数値は参考値ですがこの価格帯でも十分な濃度に抽出できていることが分かります。
数値とおいしさは必ずしも比例するものではありませんが、やはりアイスに続きホットでもファストコーヒーが全体的にレベルが上がっている印象を受けました。
いざ飲み比べ!この冬を代表するホットコーヒーの頂点を決定します
それでは飲み比べて行きましょう。今回はランキングの基準を「バリスタが飲んでより専門店の味わいに近くおいしいと感じたもの」として以下の4項目に注目をして飲み比べを行いました。
- 味わいのバランス
- 甘味の強さ
- 濃度感のほどよさ
- 雑味の少なさ
各項目を1〜5点の満足度でスコア化し、合計20点で満足度の評価を行いました。
今回はおいしさの評価に加えて参考値として抽出時間・内容量も計測しています。
満足度のラダー:5点:とても満足・4点:満足・3点:普通・2点:不満・1点:とても不満
抽出時間は抽出開始のボタンを押してから抽出完了までの時間を計測しています。
16位:ロッテリア ホットコーヒー
味わいのバランス:3点(普通)
甘味の強さ:3点(普通)
濃度感のほどよさ:2点(不満)
雑味の少なさ:2点(不満)
合計:10点
全体的に味わいが弱く、濃度が薄めで水っぽい印象でした。やさしい甘さがあり後味にも残るものの、全体として物足りなさを感じます。苦味や酸味も弱く、雑味が目立つのが残念。家庭用コーヒーメーカーのようなレベルで、軽い飲み口を好む方向けな味わいでした。
- 価格(税込):280円
- 内容量:180g
- 抽出時間:カウンター提供のため不明
- TDS:0.67
15位:ローソン モカブレンド(S)
味わいのバランス:3点(普通)
甘味の強さ:3点(普通)
濃度感のほどよさ:2点(不満)
雑味の少なさ:4点(満足)
合計:12点
エチオピアらしい果実味はあるものの、全体的に薄く“お茶”のような印象を受けます。味わいは酸味が主体ですが、大きくバランスが崩れてはいませんでした。後味の渋さがやや気になるものの、雑味は少なくクリアな味わいが楽しめます。こちらも、軽めのコーヒーを求める方におすすめの味わい。
- 価格(税込):160円
- 内容量:162g
- 抽出時間:29秒
- TDS:0.90
13位(同率):ローソン コーヒー(S)
味わいのバランス:3点(普通)
甘味の強さ:3点(普通)
濃度感のほどよさ:3点(普通)
雑味の少なさ:4点(満足)
合計:13点
甘さは控えめで余韻も短め。アイスコーヒーを飲み比べたときにも感じましたが、アメリカーノのようなさっぱりした味わいです。「好きな人はハマるかも」という一方で、濃度が物足りないと感じる人もいるのではないでしょうか。後味の渋さが少し気になりますが、雑味は少なくスッキリしているので多めの量を時間をかけて飲む人にはよいかもしれません。
- 価格(税込):120円
- 内容量:155g
- 抽出時間:27秒
- TDS:0.99
13位(同率):マクドナルド プレミアムローストコーヒーS
味わいのバランス:3点(普通)
甘味の強さ:3点(普通)
濃度感のほどよさ:4点(満足)
雑味の少なさ:3点(普通)
合計:13点
濃度は薄すぎず程よいですが、苦味が抑えめで酸味が尖っているので味のバランスが崩れかけているように感じました。ただし、甘さが酸味を支えることでバランスを保てている印象です。また、後味の渋さやざらつきも気になりました。全体的に飲みにくいと感じる人もいるかもしれません。
- 価格(税込):120円
- 内容量:194g
- 抽出時間:カウンター提供のため不明
- TDS:1.09
11位(同率):セブン-イレブン セブンカフェ ホットコーヒー グアテマラブレンド
味わいのバランス:3点(普通)
甘味の強さ:4点(満足)
濃度感のほどよさ:3点(普通)
雑味の少なさ:5点(とても満足)
合計:15点
グアテマラらしい優しい甘さが感じられる一方で、味わいはやや薄め。特に、苦みや果実味が物足りない印象です。前回アイスコーヒーを飲み比べた際には酸味の印象がありましたが、こちらも冷めると酸味が引き立つことでバランスが整い、味わいに奥行きが生まれてくる感じがしました。雑味は少なく余韻にほのかな甘みが残るため、クリアな味わいを楽しみたい方におすすめです。
- 価格(税込):140円
- 内容量:158g
- 抽出時間:42秒
- TDS:0.94
11位(同率):デイリーヤマザキ プレミアムローストホットコーヒー
味わいのバランス:3点(普通)
甘味の強さ:4点(満足)
濃度感のほどよさ:4点(満足)
雑味の少なさ:4点(満足)
合計:15点
果実味を伴う甘さがしっかり感じられましたが、もう少し酸味を抑えるとバランスがよりよくなりそうです。酸味がやや支配的なので「酸味の強いコーヒーは苦手」という人には合わないかもしれません。濃度は程よく飲みやすい一杯ですが、後味に渋さやざらつきが残るという点でも評価が伸びませんでした。
- 価格(税込):110円
- 内容量:157g
- 抽出時間:41秒
- TDS:0.94
7位(同率):セブン-イレブン セブンカフェ ホットコーヒー キリマンジャロブレンド
味わいのバランス:4点(満足)
甘味の強さ:4点(満足)
濃度感のほどよさ:4点(満足)
雑味の少なさ:4点(満足)
合計:16点
コーヒーらしい苦味と甘さがしっかりと楽しめる一杯。ただし、苦味の主張が強いためバランスは保ちきれていない印象でした。後味にもしっかりと甘さが感じられますが、過抽出気味で渋さも目立つため、飲み終わりの印象は好みが分かれるかもしれません。スイーツと合わせる場面や、苦味主体のコーヒーが好きな人にはおすすめですよ!
- 価格(税込):140円
- 内容量:156g
- 抽出時間:41秒
- TDS:1.26
7位(同率):ミニストップ ホットコーヒー
味わいのバランス:4点(満足)
甘味の強さ:4点(満足)
濃度感のほどよさ:4点(満足)
雑味の少なさ:4点(満足)
合計:16点
苦味が主体ですが甘さとの釣り合いが取れており、最初から最後までバランスよい味わいが楽しめる一杯でした。やや薄さを感じるものの、適度な濃度感で飲みやすさも◎。焙煎からの焦げっぽい香ばしさや後味の渋さが少し気になりますが、大きな雑味はなくコーヒー本来の味わいを楽しめるでしょう。
- 価格(税込):120円
- 内容量:163g
- 抽出時間:45秒
- TDS:0.86
7位(同率):NewDays ホットコーヒー(レギュラー)
味わいのバランス:4点(満足)
甘味の強さ:4点(満足)
濃度感のほどよさ:5点(とても満足)
雑味の少なさ:3点(普通)
合計:16点
味わいのバランスがよく甘みもしっかりと感じられる、110円とは思えないクオリティ。濃度も程よく、飲みやすい仕上がりになっています。敢えて気になる点を言うなら、青い香りが鼻に残る感じがあり、これが甘さをマスクして味わいを楽しみ切れないのが少し惜しかったです。前回の飲み比べのときよりも格段においしくなっているので、今後に期待したいですね。
- 価格(税込):110円
- 内容量:171g
- 抽出時間:44秒
- TDS:1.32
7位(同率):モスバーガー ブレンドコーヒー
味わいのバランス:4点(満足)
甘味の強さ:4点(満足)
濃度感のほどよさ:3点(普通)
雑味の少なさ:5点(とても満足)
合計:16点
全体的にすっきりした飲み口で「薄い」と感じる人もいるかもしれませんが、雑味が少なく甘さや果実味を感じやすいのでバランスの取れた満足感のある味わいになっています。ただし、ボディが弱く後味の余韻が短いのが惜しいところ。そのため、特にすっきりしたコーヒーを好む人におすすめです。
- 価格(税込):290円
- 内容量:235g
- 抽出時間:カウンター提供のため不明
- TDS:0.86
4位(同率):セブン-イレブン セブンカフェ ホットコーヒーR
味わいのバランス:4点(満足)
甘味の強さ:4点(満足)
濃度感のほどよさ:5点(とても満足)
雑味の少なさ:4点(満足)
合計:17点
苦味と果実味のバランスがよく、飲み疲れることも物足りなく感じることもない適度な濃度。一口めからしっかりと甘さを感じて、冷めてからは果実味が際立つおいしさに変化していきます。後味に残る渋さがやや気になったため3位には届きませんでしたが、欠点の少ないバランス型と言えそうです。
- 価格(税込):120円
- 内容量:154g
- 抽出時間:43秒
- TDS:1.16
4位(同率):セブン-イレブン セブンカフェ ホットコーヒー コロンビアブレンド
味わいのバランス:4点(満足)
甘味の強さ:4点(満足)
濃度感のほどよさ:5点(とても満足)
雑味の少なさ:4点(満足)
合計:17点
苦味の主張がやや強く甘味・果実味が感じにくい部分もありますが、苦味を支えるしっかりとした甘さがあるのでバランスが取れた味わいになっています。濃度は薄すぎず適度で、コーヒーのボディをしっかりと楽しめました。後味に少し焦げたような苦味があるものの、味わいを邪魔するほどの雑味はなくかなりきれいな味わいです。
- 価格(税込):140円
- 内容量:152g
- 抽出時間:42秒
- TDS:1.18
4位(同率):無印良品 オリジナルブレンドコーヒー
味わいのバランス:4点(満足)
甘味の強さ:4点(満足)
濃度感のほどよさ:5点(とても満足)
雑味の少なさ:4点(満足)
合計:17点
苦味は強いものの、フルーティな果実味と甘さもしっかりと引き出されて味わいのバランスが取れています。さらに、濃度は絶妙で、雑味がほとんどないのも好印象。100円でこの味わいは驚きです。深煎りのなかではかなりクリアな味わいなので、コクのある苦味を楽しみつつ、さらりとしたコーヒーを楽しみたい人にぴったりでしょう。
- 価格(税込):100円
- 内容量:172g
- 抽出時間:51秒
- TDS:1.29
3位:ファミリーマート ブレンドS
味わいのバランス:5点(とても満足)
甘味の強さ:4点(満足)
濃度感のほどよさ:5点(とても満足)
雑味の少なさ:4点(満足)
合計:18点
甘さが主体の味わいで味全体に丸みがあるので、非常に飲みやすい印象。冷めても味わいのバランスが崩れることなく、終始安定したおいしさを楽しめました。派手な甘さではありませんが、口に入れるとやさしい甘さが広がり、余韻にもその甘さが残るのが好印象です。
また、軽やかすぎず濃すぎず絶妙な濃度。冷めるとやや味わいが薄く感じる人もいるかもしれませんが、全体的に飲み進めやすく幅広い人に好まれる味わいといえそうです。
さらに、雑味の少なさや質感の滑らかさも飲みやすさのポイントでしょう。後味に微かな渋みが残る点は気になるものの、特に優しい味わいのコーヒーを楽しみたい人にはおすすめの一杯です。
- 価格(税込):120円
- 内容量:154g
- 抽出時間:35秒
- TDS:0.97
1位(同率):ミニストップ プレミアムコーヒー グアテマラブレンド(ホット)
味わいのバランス:5点(とても満足)
甘味の強さ:5点(とても満足)
濃度感のほどよさ:4点(満足)
雑味の少なさ:5点(とても満足)
合計:19点
グアテマラ特有の果実味とコーヒーらしいボディのある苦味のバランスが素晴らしい一杯。さらに、口に含んだ瞬間コーヒー本来の甘さが心地よく広がり、余韻として甘みが長く残るのも特徴です。
やや薄さを感じる部分もありますが、それが飲みやすさに繋がっており物足りなさを感じることはありませんでした。冷めると甘さが引き立つため、時間が経っても薄さはあまり気にならないでしょう。
単体で飲むのはもちろん、甘いものと一緒に楽しむ場面にもぴったりの味わいです。ミニストップに立ち寄った際には、ぜひ一度飲んでみてくださいね!
- 価格(税込):160円
- 内容量:161g
- 抽出時間:40秒
- TDS:0.90
1位(同率):ファミリーマート モカブレンドS
味わいのバランス:5点(とても満足)
甘味の強さ:5点(とても満足)
濃度感のほどよさ:5点(とても満足)
雑味の少なさ:4点(満足)
合計:19点
ナチュラルプロセスならではの野性味とベリーのような果実味が力強く感じられ、初めてエチオピアを飲んだ時の感動を思い出させる一杯でした。エチオピアらしさが際立ちながらも酸味に偏っていない点も高評価。
濃度は絶妙で、ボディの強さも十分にあり満足感のある味わいです。後味に若干の渋さを感じるものの全体として雑味が少なく、ハンドドリップにも劣らない品質を楽しめるはず。
特に酸味が好きな人やエチオピア特有のフルーティな風味を体験したい人は、試して損はない一杯です!
- 価格(税込):140円
- 内容量:145g
- 抽出時間:37秒
- TDS:1.31
ファストコーヒーのおいしさランキング2025【ホットコーヒー編】が完成しました
おわりに
この写真はビッグサイトで開催された2024年のSCAJ(Specialty Coffee Association of Japan)でファミリーマートが出していたブースの一部です。最も身近なコーヒーであるファストコーヒーでも、毎年のようにおいしさの進化を感じます。
まだまだ寒い日が続くので「ちょっといつもと違うコンビニのコーヒーも買ってみようかな」「おいしいファストコーヒーが飲みたいな」というときは、今回の記事も参考にしながらぜひ好みの味わいを探してみてくださいね。
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(執筆/マイべマガジン編集部・相野谷大輔)
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